人工透析Dialysis
臨床工学技士
透析室看護師たち
当院通院中の患者さんだけでなく、近隣の透析クリニック等から入院される患者さんも積極的に受け入れています。当院には多数の透析専門の有資格者が在籍しており、医師・看護師・臨床工学技士・管理栄養士のチームワークで患者さんのQOL向上に寄与できるよう治療しています。
重信クリニックでは、開院以来41年、透析療法に携っています。現在60台の透析装置があり、約150名の患者さんに対し、セントラル2台体制で透析しています。災害等で万が一、一台に不具合が生じた折にも、ほぼ全てのコンソールをカバー出来るシステムを整えています。
長時間透析
透析治療は本来腎臓が常時行っている働きを短期間に集中して代行する治療です。
現在の標準的な透析の治療時間は週3回、1回4~5時間となっていますが、本来腎臓は24時間働いている訳ですから、4~5時間の透析では十分とは言えません。
近年、長時間透析という週18時間以上(週3回の場合、1回6時間以上)の透析治療を行っている患者さんも増えてきています。一番のメリットは何といっても死亡リスクの減少です。他のメリットとしては透析時間が伸びることで尿毒素の除去量を増加させ透析量を増大することが出来ます。短時間透析では除去しにくいβ-2マイクログロブリンや無機リンなどの除去が可能となり、透析アミロイドーシスや血管の石灰化などの合併症が少なくなります。当院でも希望されるようであれば長時間透析にも対応いたします。
心エコー
当院では毎週土曜日の午前中に愛媛大学医学部附属病院の循環器専門医に来ていただき透析患者さんの心臓の状態を定期的に診察しています。
ドキッとする話になりますが、透析患者さんの死亡原因の1位、約3割強の方が心臓血管疾患で亡くなられています。このため、透析患者さんでは心疾患の対策が非常に重要になります。心不全の症状としては、呼吸困難、狭心痛、疲労感、動機などがみられます。しばしば心不全徴候がみられ、透析で除水をすると血圧が低下するような場合は心機能・弁膜疾患の有無を精査する必要があります。一方、無症状で日々生活をされている場合もありますので心臓超音波検査(心エコー)を定期的に行う必要があります。
胸部レントゲン・心電図と言った検査も並行して行っており、場合により心筋シンチ、冠動脈CT、冠動脈造影検査など愛媛大学病院や松山赤十字病院、県立中央病院等と連携して精査し、早期発見し早期治療を行うよう努めています。
エコーガイド下穿刺
当院では携帯サイズのエコーを準備しており、シャント血管の発育不全のケースや静脈が皮膚より深く触知困難なケースで積極的に使用しています。
こういった機器を使用して穿刺ミスを減らし、少しでも患者さんのストレスにならないよう努めています。
フットケア
血液透析を受けられている患者さんは動脈硬化や末梢血管障害のため、全身の血液循環が悪くなってくると足の冷感、痛み、潰瘍などが起こりやすくなってしまいます。
下肢の血液循環が悪くなり潰瘍ができた場合、放置し発見が遅れたりすると下肢を切断するリスクが非常に高くなります。下肢を切断した場合の生命予後は1年で50%とも言われています。下肢切断は歩行機能を損なうだけでなく、その方の人生そのものを奪う可能性が非常に高いと言うことです。
そのため当院では月に1回のフットチェック、3か月から半年に1回のABI(足関節上腕血圧比:血管のつまりぐあいを調べる検査)を行っています。傷が出来た場合、状態によっては透析毎の処置はもちろんですが、院内での処置で完治が困難と思われる場合は、連携を取っているセンター病院(血管外科)へ紹介し血管拡張術や人工血管置換術などといった専門的な治療を行って頂くことがあります。
日々の足の観察で早期発見、早期治療に繋げ、下肢切断のリスクを軽減し、快適な透析ライフを過ごしていただけるようスタッフが一丸となって取り組んでいます。
主とした紹介先基幹病院
送迎案内
車いすでの送迎も可能です
透析患者さんの通院のために、ご自宅‐クリニック間の車いす対応車輌による送迎サービスを行っております。下記地区にお住いの透析患者さんでしたら、どなたでもご利用いただけます。
- 送迎対象エリア
- 東温市全域、松山市、砥部町
送迎方法
数名の患者様での乗り合いとなります。同エリアの患者さんのご自宅まで順にお迎えに上がり、当院の1F入口前までの乗車となります。
車椅子の方、おひとりでの乗降者が難しい方は、患者さん宅の玄関から透析室のベッドサイドまでお連れします。お帰りの際は、来院時と同様、ご自宅前、建物までお送り致します。
なお、コロナウイルス感染拡大している時期においては、送迎サービスを縮小しておりますので予めご了承ください。